あなた自身が強くなれ、能力を高めろ、それが自立だと迫られる時代です。本当でしょうか?

私は、30年間、長野県の泰阜村という人口わずか1500人の地域で山村留学などの教育実践をNPOとして続けてきました。

その間、私の目の前を通り過ぎていったこどもはみんな弱い個人でした。様々な問題を抱えるこどもが多くいました。それでもお互いが認め合い支え合って、みんなで少しずつ強くなっていく。何一つ思い通りにいかない自然の中で、弱くともたくましい、そしてなによりも前向きに生きるこどもたちの姿を見続けてきました。

人の社会では弱さを認め合うことでしか本当の強さも自立も決して生まれてこないのです。

3年前、県議会議員だった兄が事故で亡くなりました。それでも私は政治の道に入ることは考えませんでした。「教育から社会を変える」が私の信念だったからです。

一方で、山村の暮らしのなかで、人口減少と高齢化と向き合い、こどもたちと向き合い、困難を抱えている人たちと向き合う中で、社会の中で弱い立場に置かれている人たちが大事にされない政治が続いていることに強い憤りを感じてきました。

その怒りが限界を超えた出来事が今回の政治とカネの問題です。

「行き詰まりを見せているこの社会を立て直すためにある政治家が、法の抜け穴を使って脱税し、私腹を肥やす。こんな社会があっていいのか。こんな政治やってていいのか。」

劣化を続ける政治を見るにつけ、30年間小さな地域で実践を続けてきた私だからできる、やれることがあると強く思い、この度、決意をしました。これから政治という新たな世界の中での実践の始まりです。

1人1人が意見を出し合って、その際必ず1人1人を尊重して、少数派の意見を大事にして折り合いをつけて方向性を示す。当たり前のことなんだけど、このプロセスが非常にめんどくさいですよね。手間がかかるんですよね。だから近道しようと思うし、それを求めますね。早くしなさい、効率的にやれよとかですね。

この手間暇かかるプロセスを進めないまま社会を進めようとしていくと、まともな社会が育つはずもない。分断と孤立しか生まない、教育の現場にいてそう思いました。

諦めてはいけない。こどもや若者に絶望を抱かせるわけにはいかない。いつの間にか他人の手に自分の人生が握られてしまうことを許すわけにはいかない。

無力感に陥らず、未来をつくる実感を手にしてほしい。希望を語り続けよう。

こどもや若者に胸を張れる未来をつくりたい。そんな思いを持っています。

そのための政治、政策を示します。

3年前に亡くなった兄は県議会議員でした。兄は政治ビラをポスティング中に亡くなりました。道半ばでした。心残りがあったでしょう。私は、福井の希望を語り続けた兄の遺志をしっかりと受け継ぎます。

父は国会議員でした。徹底的に庶民に寄り添う政治家であり、全県をくまなく歩き、郷土の声を国に届けることを使命にしていました。国政選挙6勝5敗、敗けても負けても絶対に諦めない挑戦し続けた政治姿勢は、福井の民主勢力の誇りです。私はその草の根民主主義、父の遺志も受け継ぎます。

亡き兄、辻一憲との数少ない兄弟ツーショット(2014年)

辻家5人が映る最後の写真(2002年)

1. 徹底的に「ひとづくり」を推進しよう

  • 全てのこどもと若者に自然体験など体験教育の機会を増大しよう
  • 学力・体力を人のために活用する社会貢献活動を推進しよう
  • 少人数学級の推進、児童手当の拡充、大学授業料無償化や給付型奨学金拡充など、誰もが安心して学びを受ける環境をつくろう
  • 義務教育予算の拡充、地方の大学など高等教育機関の充実、基礎研究予算確保と研究者の処遇を改善しよう
  • 幼児から高齢者まで学ぶことができる生涯学習社会をつくろう

2. 暮らしを立て直し雇用を守ろう

  • 物価高対策として、低所得者など生活に苦しむ人への支援を強化しよう
  • 中小零細事業所への支援と賃金引き上げを両立しよう
  • 非正規雇用の若者の処遇を改善しよう
  • 介護、福祉、医療、子育て、教育分野などベーシックサービスを拡充しよう
  • 保育士などエッセンシャルワーカーの待遇を改善しよう

3. 自然と人間が共生する持続可能な地域をつくろう

  • 自然と共生できるひとを創る体験型環境教育やエコツアーを進めよう
  • 過疎地域のまちづくり施策や、持続可能な地域づくりを担うNPOやソーシャルビジネスを支援しよう
  • 農家戸別補償制度の復活や獣害対策など、自然と経済の調和を守ってきた小規模・兼業農家をはじめとした農林水産従事者の暮らしを守ろう
  • 地域や自然に根差した伝統文化の保護と承継者育成を支援しよう

4. あらゆる差別をなくし多様な価値観を認め合い支え合おう

  • 虐待やいじめを受けたこどもや養護を必要とするこどもへの支援を強化しよう
  • 障がいのある人やひとり親世帯、ひきこもりや不登校の人への支援を強化しよう
  • 防災弱者対策の強化と、誰も犠牲にならないための防災教育・災害教育を徹底しよう
  • 全てのひとの尊厳を守り、ジェンダー平等を実現しよう
  • アジアの平和と安定のためにこどもや若者の国際交流を進めよう

5. 国民の力を信じて草の根民主主義を実践しよう

  • 国民の声を国政に届ける徹底的な現場主義を貫きます
  • 政治とカネの問題に終止符を打ち、クリーンな政治を徹底します
  • 国民の暮らしを支えるまっとうな政治を進めます

6. 次世代へ責任を持とう

  • 戦争のない社会を貫き武力ではない平和外交を進めよう
  • 省エネと再生可能エネルギーなど多様なエネルギーを推進し、将来的に原発に頼らない社会をつくろう
  • 原発の安全性の徹底と実効性のある避難計画を策定しよう
  • 廃炉を迎えた立地地域への産業支援と雇用の公正な移行を進めよう
  • 農山漁村の自然災害、都市型災害などあらゆる災害に強い地域をつくろう

1970年、福井県福井市の町屋県住に生まれる。虫や恐竜に始まり、山・川・海・田んぼなどすべての自然が好きで、中学時代から登山を始める。中高とハンドボール部。松本小-進明中-高志高校。

1989年、自然に憧れ北海道大学に進学。体育会ハンドボール部に打ち込み、主将として全日本インカレにも出場(2回)。一方で児童養護施設のボランティア活動や、「できない子ども」のための体育方法などを研究し、弱い立場の人に寄り添う土台を築いた。

1993年、大学卒業と同時に人口1500人の長野県泰阜村に移住して山村留学活動に参画。同時に教育団体(現NPO法人グリーンウッド自然体験教育センター)を設立。小さな山村における自然と共存してきたひとびとの暮らしの営みこそ本質的な教育財と信じぬき、全国のこどもや若者対象の自然体験教育キャンプ、山村留学事業を30年間続けている。

持続不可能といわれた何もない山村に、自然を資本とした産業を成立させ、若者雇用の場を創り、児童生徒が増え、限界集落は消滅しつつあり、関係人口や定住人口なども確保されるなど、教育を通した持続可能な地域づくりを実現した団体として、数多くの表彰を受ける(読売教育賞、博報賞、オーライニッポン大賞内閣総理大臣賞、日立環境賞、他多数)

このように総合力が上がった地域の力を発揮して、阪神大震災~東日本大震災にわたり、被災児童をキャンプ招待や山村留学で預かるなど、教育を通した被災地支援をライフワークの一つとして続けている。

また、「同じ釡の飯を喰う」ことによる相互理解・相互信頼向上の効果に着目して、北東アジア(日本、韓国、中国、ロシア、モンゴル)のこどもキャンプを2001年に開始(NPO法人こどもたちのアジア連合)。アジアの平和・安定のために市民ができる地道な活動を24年間続けている(2024年度はモンゴルで8月に開催)。

これら自然体験教育が及ぼす社会的・環境的・経済的効果の実践が、大学等高等教育機関から評価され、2011年からの立教大学(現職)をはじめ、九州大学、福井県立大学などの非常勤講師を経て、2022年から青森大学社会学部の教授を務める。

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