「実は子どもの頃、バスの運転手になりたかったんですよね」
こう言うと、その場が一気に和みました
福井県内の地方公共交通のすべてのバス会社を回って、課題を聴いています
いや、本当になりたかった
大きな車体を自由自在に操る運転手が、率直に「カッコいい」と想っていたのです
そのバスの運転手は今、なり手がいない
採用されたとしても50代後半から60代だという
ここでも「人手不足」が課題になっている
他業種と比べて低い賃金もハードルだ
採算が見込める「貸切」や「高速バス」に人員資源を集中したい
それはやまやまだけれど、生活路線をおろそかにしては地域公共交通の役割が果たせない
そのせめぎ合いに、過疎地が大半を閉める地域公共交通会社が喘いでいる
そして燃料や資材の高騰など物価高の影が、ここにも忍び寄っている
というか、まともに向かい風となって吹き付けている
昨年、人生最大の挑戦に敗れたらバスの運転手もいいな、と想っていた
が、そんなことを言ってられない状況だ
これは放ってはおけない
「カッコいい」「なりたい」と子どもや若者に憧れの的になるように、支えていかなくてはならない
「地域の足」を守らなければ!
県内すべてのバス会社から課題を聴いた
次は、県内の小規模鉄道会社を周りたいと想います
2025年9月17日 辻英之
